よくある症状と痛み
首や肩は不良姿勢により痛みを引き起こすことが多いです。悪い姿勢を続けることで筋肉が緊張しその結果、血行不良になってしまいます。血行が悪くなることで「発痛物質」という痛みを引き起こす物質が放出され、痛みを感じるようになります。このメカニズムはどこの部位でも起こることですが、よくある「肩こり」は特にこのメカニズムによって重だるさや痛みとして症状が出やすく、重症化すると頭痛、吐き気、めまい、しびれなども伴うことがあります。たかが「肩こり」と軽視してしまうと後に治りにくい症状になってしまうので注意が必要です。
各症状について
頚椎症性脊髄症・神経根症
加齢により頸椎の椎間板や椎骨自体が変性(椎間板が傷み炎症を起こすことで水分が抜けて硬くなること)・変形することで脊柱管、椎間孔、椎間板腔などが狭くなり症状が出ている状態のことを頚椎症といいます。その状態の延長で脊髄や神経根が圧迫され、症状が出ているものを頚椎症性脊髄症、または神経根症と言います。圧迫されている部位が脊髄だと脊髄症、神経根だと神経根症と名前が変わります。
脊髄症:脊髄の中でも圧迫される部位によって症状が変わっていきます。四肢の麻痺、手指の巧緻運動障害、歩行障害、進行すると膀胱直腸障害なども発症してしまいます。
神経根症:同様に圧迫されている部位によって症状が変わります。多くは片側の上肢(肩関節から指先)にしびれや痛みが出ます。上を向いた時や重い荷物を持った時に首の後ろに痛みが出るのも症状の一つです。進行すると圧迫されている神経根の領域に感覚障害、筋力低下を起こし筋委縮にも至ることもあります。
頸椎椎間板ヘルニア
頸椎での椎間板の退行変性(いわゆる老化現象)によって椎間板組織が線維輪断裂部から脊柱管内や椎間孔へ脱出して、神経を圧迫し片側の上肢(肩関節から指先)にしびれ、痛み、筋力低下を引き起こすものを頸椎椎間板ヘルニアと言います。椎間板組織が脱出して脊髄を圧迫した場合は脊髄症を生じ、神経根を圧迫した場合は神経根症を生じます。先ほどの頚椎症性のものと同様で、脊髄症の場合は四肢の麻痺、手指の巧緻運動障害、歩行障害などを引き起こします。神経根症の場合は片側の上肢(肩関節から指先)にしびれや痛みを引き起こします。
胸郭出口症候群
鎖骨と第1肋骨の下にある隙間を胸郭出口と言います。この胸郭出口を頸椎の間から伸びてくる神経の束(腕神経叢)と血管(鎖骨下動・静脈)が圧迫されることにより上肢(肩関節から指先)のしびれ、痛み、こり、だるさなどの症状を引き起こします。この胸郭出口症候群は総称で、圧迫されている部位によって症状の名前が変わってきます。
斜角筋症候群:首の横にある前・中斜角筋と言う筋肉の隙間で神経や血管が圧迫される。
肋鎖症候群:鎖骨と第1肋骨の隙間(肋鎖間隙)で神経や血管が圧迫される。
小胸筋症候群(過外転症候群):小胸筋が烏口突起と言う肩甲骨の部分に付着するところで神経や血管が圧迫される。
なで肩や女性の方に多いと言われています。さらに、頸椎捻挫や肩関節周りの外傷によっても発症することがあります。悪い姿勢を続けることによって前述した筋肉が緊張してしまう可能性があるので意識をして良い姿勢を保つことも予防につながります。 整形外科テストを行いどこに圧迫があるのかを明確にし施術を行ないます。
外傷性頚部症候群(頸椎捻挫、むち打ち損傷)
急激な加速や減速により、頸椎がムチのようにしなることで首を痛めてしまった状態のことをむち打ち損傷と言います。一般的に損傷が頸部軟部組織にとどまっていて、頸椎、脊髄、神経根の損傷を伴わない状態のことを言います。近年では、名前に治りにくいイメージが伴うようになり不安があおられるようになったため、「頸椎捻挫」「外傷性頸部症候群」と呼ばれることが多くなりました。自動車の追突事故によって生じることが多く、強い頸部痛、頭痛、めまい、耳鳴り、上肢(肩関節から指先)のしびれを生じることがあります。
当院でも交通事故による施術を行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
施術方法
頸部に対する施術は、筋・筋膜のトリガーポイントのリリース、頸椎へのカイロプラクティックによるアジャストメント、関節の位置を正しくするための姿勢指導やトレーニングなどを行います。もちろんですが、すべの症状に同じ施術をするわけではありません。外傷性のもの(寝違え、むち打ち、日常生活やスポーツなどによる怪我など)は炎症反応が出ているので、無理な手技によって刺激を加えるとかえって炎症反応が増してしまい痛みを悪化させてしまいます。患者さまのそれぞれの症状をしっかりと把握し、適切な手技を行います。